Up(野外サンプルからの細胞性粘菌の分離)

細胞性粘菌の分離プレート

採集した土のサンプルを水に懸濁し、極小量を餌となるバクテリアとともに寒天培地に拡げて数日培養すると、土の中にいた細胞性粘菌が増えて子実体を作る。栄養をふくまない寒天培地を用いるとカビなどの他の微生物の増え方が遅いので、細胞性粘菌を分離しやすい。 (→ 分離の方法


寒天プレートに瀘過した土壌サンプルとバクテリアを拡げてから3日目。 タマホコリカビ (D. mucoroides)、ムラサキタマホコリカビ (D. purpureum)、シロカビモドキ (P. pallidum) などの移動体や子実体が見える。 この例は細胞性粘菌の密度が少し高すぎるが、子実体の形態がはっきりしはじめる3から4日目くらいに植継ぐのが良い。シャーレの直径は 9 cm (採集地:神奈川県)。

別のサンプル。7日目。この頃になると細胞性粘菌がシャーレを埋めつくすことも多い。 ムラサキカビモドキ(P. violaceum, 左)、シロカビモドキ(P. pallidum, 右)の他に D. aureo-stipes (下)と思われるものが見える。 Scale bar = 5 mm(採集地:神奈川県)。

分離プレートの上で増殖するシロカビモドキ (P. pallidum) のコロニー。中央下寄りと右上隅に集合の流れの集まる所から移動体が伸びだしているのが見える。 左辺上方と中程、右下方には移動体が這っている。左上方と下方にかすかに茶色がかって見える白斑はカビ(糸状菌)のコロニー。 5日目のプレート。Scale bar = 2 mm(採集地:京都市)。

小型の細胞性粘菌 (D. minutum?)。このように小さな子実体しか作らない種は注意して探さないと見落とすおそれがある。 左上隅の写真は、左隣の写真と同縮尺で示したもの。5日目のプレート。Scale bar = 1 mm(採集地:京都市)。

シロカビモドキ (P. pallidum) のコロニーの右にたくさんの細長いカンザシタマホコリカビ (D. polycephalum) の移動体が見える。 6日目のプレート。Scale bar = 5 mm(採集地:神奈川県)。

時には真性粘菌の変形体があらわれることもある。
Physarum polycephalum (?) と Dictyostelium polycephalum の邂逅。7日目のプレート。Scale bar = 1 mm(採集地:神奈川県)。

線虫にもよく出会う。下の写真の Scale bar = 0.1 mm(採集地:京都市)。

繊毛虫類は、水分の少ない寒天培地の上ではあまり形を変えない大きなアメーバのように見える。Scale bar = 50 μm(採集地:京都市)。


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